■ツールレベル ※フレームワーク自体のレベルではありません
中級
■どんなツールなのか
行政機関がスクラム開発を行う際に、プロジェクトの立ち上げ時に次の2つの活動を行うことを目的としたツールです。
<1>スクラム開発の予⾏演習
スクラム開発未経験者にとって不慣れな部分である「プランニング」を疑似体験する。
予⾏演習をすることで⾃⾝の役割や開発の流れを理解して本番に臨んでもらう。
<2>チームビルディング
スクラム開発はチームの⼀体感が必要な開発⼿法である。
早い段階でお互いを知り合い、⼼理的安全性の⾼いチームを組成する。
<本ワークショップのカバー範囲>
⾃⼰紹介シートを使ったチームビルディング
ミニゲーム
ユーザーストーリーの作り方
見積もりの作り方
優先順位の付け方
プランニングのやり方
振り返り
■誰の役に立つのか
これからスクラム開発を行おうとするチームメン バー全員にとって役立つコンテンツであり、以下を特徴とします。
スクラム開発を⾏うメンバー全員が参加する。
最も体験して欲しいのはスクラム開発未経験のプロダクトオーナー。
ワークショップの進⾏はスクラムマスターが担当。本書をよく読み、シミュレーションしてから臨むこと。
■前提や予備知識は必要か
アジャイル開発とスクラムについての基礎知識。
■どのように利用するのか(進め方・所要時間)
実際のスクラム開発を行う前に実施するためのツールです。
<いつやるのか>
実際のスクラム開発を⾏う前に実施する。
ただし、必ずスクラム開発についての参考資料(後述「参考文献」)を読んだあ とに実施する。
実際のスクラム開発までに時間が空きすぎないことが望ましい。
<どこでやるのか>
対⾯で⾏うことが望ましい。
対⾯の場合は会議室等のスペースを確保し、テーブルとホワイトボードを⽤意する。
オンライン開催の場合はオンラインホワイトボードツール(FigJam、Miroなど)を利⽤する。
<タイムライン>
ワークショップの概要説明(20分)
これから⼀緒に開発するチームのメンバー同⼠で⾃⼰紹介(30分)
ミニゲームでチームビルディング(40分)
アジャイル開発の流れが理解できるワークショップ(90分)
振り返り(30分)
➡合計240分
<目標>
メンバーの親睦を深め、率直に意⾒を⾔い合える関係になる。
メンバー全員がアジャイル開発の流れを把握することができる。
メンバー全員が⾃分の役割を把握することできる。
■なぜ有用といえるのか(実績等)
2022年度に東京都庁で実践されたアジャイル開発事業で実績があるフレームワークであり、当該事業の成果として2023年5月に公開された「アジャイル型開発プレイブック」は大きな話題となりました。
■もっと学びたい方は
(アドバンス研修・実習)
行政向けに特 化した研修コースはまだ見当たりません。民間企業向けには様々な研修コースがあり、オンラインのものも多く含まれています。
(参考文献とその概要)
東京都庁アジャイル型開発プレイブック
https://shintosei.metro.tokyo.lg.jp/post_cp2_230517/
東京都庁で行われているアジャイル開発事業の実践の様子や職員たちの気づきなどをイラストを多用して分かりやすく記録した冊子
アジャ イルソフトウェア開発宣⾔(Kent Beck et al.)https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html
アジャイル宣⾔の背後にある原則(Kent Beck et al.)https://agilemanifesto.org/iso/ja/principles.html
スクラムガイド(Ken Schwaber & Jeff Sutherland) https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf
アジャイル型開発実践ガイドブック(内閣官房情報通信技術(IT) 総合戦略室) https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/Agile-kaihatsu-jissen-guide_20210330.pdf
アジャイル領域へのスキル変⾰の指針 アジャイルソフトウェア開発宣⾔の読みとき⽅ (独⽴⾏政法⼈ 情報処理推進機構)https://www.ipa.go.jp/files/000065601.pdf
アジャイル開発の進め⽅(独⽴⾏政法⼈ 情報処理推進機構) https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/plus-it-ui/itssplus/ps6vr70000001i7c-att/000065606.pdf
(関連フレームワーク等)
行政機関向け本格アジャイル開発タスクリスト(準委任契約/組織横断的推進)
https://dslink.wixsite.com/my-site/frameworks/agiletasklist
準委任契約に基づくアジャイル開発や組織横断的なアジャイル開発の推進には、様々な環境整備が必要になります。本ツールは、アジャイル開発に本格的に取り組む組織において、システム所管部局やDX推進部門が取り組むべきタスクを体系的に示したものです。
【関連情報】
■関連ケーススタディ
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■関連フレームワーク
◆スクラム開発
スクラム開発は、アジャイル開発を実践するための具体的なフレームワーク(手法)です。ルールが明確に定義されており、チーム全体が協力して短いサイクル(スプリント)で成果を出します。
特徴
3つの役割 スクラム開発には、以下の3つの役割があります。
プロダクトオーナー: プロジェクトの目標や優先順位を決定し、全体を指揮。
スクラムマスター: チームをサポートし、円滑に作業が進むよう環境を整える。
開発チーム: 実際にタスクを実行するメンバー。
短期間の反復作業(スプリント) 1~2週間の短 い期間で計画・作業・レビューを行い、プロジェクトを段階的に進めます。
毎日の進捗確認(デイリースクラム) 毎日短時間のミーティングを行い、各メンバーが進捗状況や課題を共有します。
振り返り(スプリントレトロスペクティブ)スプリントの最後には必ず振り返りをおこない改善を図っていくことでチームの成長を促します。
行政でのメリット
透明性の向上: 進捗状況や課題がチーム全体で共有されるため、計画が見えやすくなる。
迅速な成果提供: スプリントごとに具体的な成果物を市民や関係部署に提供できる。
自律的なチーム: チームメンバーが自主的に役割を果たし、作業効率が向上する。
■関連スキル
アジャイル開発
■関連研究・事業
公共アジャイル推進研究会
■著作者・連絡先
スパイスファクトリー株式会社
■掲載年月日
2025年1月
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