■ツールレベル ※フレームワーク自体のレベルではありません
上級
■特徴
このガイドは、部門を越えて共有すべき根本課題を、ナラティブや構造化、多面的な視点を通じて言語化し、協働による解決につなげる実践プロセスを示しています。共通の問いを起点に、持続的で自律的な部門横断の対話を生み出す ことを目的としています。
■活用シーン
このプロセスは、中間管理職や経験豊富なベテランといった、組織がどのように動いているのかを深く理解し、自らの業務だけでなく、組織全体に影響を及ぼす課題に関心を持っている職員にとって最も大きな価値をもたらすことが期待できます。また、課題が部門横断的な対応を必要としていると感じていながらも、それを組織全体の視点で明確に定義する必要を感じている職員を支援することができます。
このプロセスは理論上どの部門でも活用可能ですが、部門間の協働のあり方を根本的に改善する必要がある場合にこそ威力を発揮します。
■留意事項
課題の存在を認識していることが前提となりますが、課題を明確に定義するための知識(例:デザイン思考に関する知識)は必ずしも必要ではありません。
なお、好奇心を持ち、謙虚であることは、必要な関係性を築き、プロセスを前に進めていく上で役に立ちます。特に第1フェーズでは、他者の意見に対してオープンであることが極めて重要であり、予め決められている立場からではなく、純粋に好奇心を持って課題の存在について検証することが求められます。
■使い方
(ワークの流れ)
根本的なレベルで組織に影響を及ぼすと認識された課題を、3つの段階を通じて検証し、共通の課題として定義し、具体 的な対応につなげます。
1) 認識された課題が組織内で存在することを双方向で検証
2) 利害関係がある複数の管理職との組織的な関係性や背景を整理
3) 課題について「交差的マッピング」を行ってみることで、課題が組織内でどのように認識されているかを理解
プロセス全体の実施には数か月を要する場合もありますが、フェーズ1は1~2か月で実施可能です。
(参考時間配分)
フェーズ1:1か月
フェーズ2:1か月
フェーズ3:3~12か月
(利用する教材)
ワークシート
オンラインコラボレーションソフト(オンラインホワイトボードアプリなど)
■実績
部門横断型協働のデザイン(CD2)のプロセスは、デンマークのフレゼリシア市が「Trivsel+」 プロジェクトにおいて、協働のあり方を変革する際に導入され、成功をおさめた後、そこで実践された取組を体系化したものです。このプロジェクトがデンマーク国内で他に例がないほどの規模で協働の変革を実現できた要因は、CD2のプロセスで定義された初期の3つのフェーズにあったと言えます。
■次のステップ
デザイン思考…CD2のプロセスをデザイン思考と組み合わせることで、チームが「課題の定義」から「解決策の創出」へとスムーズに進めるよう支援することができます。
【関連情報】
■関連ケーススタディ
■関連フレームワーク
プロジェクトマネジメント
■関連スキル
デザイン思考, 共創デザイン
■著作者・連絡先
グロンデル エスベン (Synean株式会社 代表取締役、行政情報システム研究所 客員研究員)
※プロセスを考案したデンマークFredericia市の担当者を紹介できます
■掲載年月日
2025年3月31日
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